前回は計画の要点についてご紹介しましたが、
今回は実際の工事において苦労した事をご紹介します。
ズバリ、この工事で肝となるのは前面道路の環七です。
我々建築業者からすれば正直鉄骨3階建はそんなに苦労する事も無く
パッと建って、サーと仕上げて、ハイ引渡し!
という様なイメージですが。
今回は地下も有り、さらに接道が環状七号線の都道のため
身構えて、慎重に工事を進めなくてはなりません。
都道と区道との違いとしては、ザックリいうと、
ます申請手続きが1つ2つ増えるという事です。
道路使用を申請する場合でも、区道の場合は警察署長に申請をするだけですが、
都道の場合は東京都建設局の許可を受けてからでなければ警察署長に申請する事ができません。
そしてさらに申請の決済までの期間も長くなります。
・工事用切下げ・・・・4週間
・沿道掘削・・・・・・4週間
・道路占用・・・・・・2週間
となってしまいます。(区道の場合は概ねこの半分くらい...。)
この為、申請期間の読みを間違えると大きな工事の遅れや、
最悪工事ストップとなってしまいます。
そして忘れてはならないのが年末規制です。
大半の都道で、12月15日から1月3日迄の期間、路上での作業が規制されます。
つまり道路使用の許可が取れません。
これも工程の中に加味しておかなければなりません。
今回の工事も当然上記の事に注意し慎重に施工計画を検討していったのですが、
中でも一番大変だったのが鉄骨建方です。
通常ならば16tラフタークレーンでも十分なくらいの鉄骨のボリュームですが、
敷地前面道路の上空に電線が走っており、これを交わさなくては仕事ができません。
この電線を交わすには16tの能力では難しく、なんと60tのラフタークレーンで
無ければ難しいという結論に。
そこでクレーンを敷地内に入れられないか検討をしましたが、
敷地には一杯に地下躯体が建設されるので、この中にラフタークレーンを入れる事は不可能。
仮設の乗入構台を残して建て方をする事も考えましたが、それには敷地が小さすぎて
安全な作業が出来ない為断念。
そしてたどりついた施工方法は、やはり60tのラフタークレーンを使用し
環七を2車線止めて建て方を行う方法です。
当然ですが、夜間作業になってしまいます。
よし!では明日から夜間作業!という訳にはいきません。
当然道路使用許可を受けなくてはなりませんが、
今回60tという大型の特殊車両を使用するので、
この車輌を現場まで通行させても良いですよという許可を道路管理者から
受けてからでないと、警察署は許可を出してくれません。
この申請が、特殊車両通行許可といいます。
そして気になる申請期間ですが、なんと4週間から6週間かかってしまいます。
要するに工事直前での施工計画の詳細な検討ではどうにもならなくなってしまう
場合が有るという事ですね。
当然今回は特殊車両になってしまうケースも当初から検討していましたので
工程の影響無く順調に工事を進める事ができました。
皆様も土地の購入等を検討される場合には、広くて大きい道路は建物が
大きく建つから良いというだけでは無く、こういった工事の際の局面(建設コスト)
も少し考慮されるといいのではないかと思います。
長くなってしまいましたが。
ここからは工事の際の写真を添付します。
今回の工事の状況をご覧ください。
・工事の為にはこの大きく育ったスズカケの木が邪魔になってしまうので敢え無く伐根いたしました。
・車輌の乗入の為では無く、歩行者の安全な誘導の為に敷地の幅いっぱいに切下げを設置。
建設局と警察署との協議のうえ特別に許可をいただきました。
・
・一次掘削の状況、敷地いっぱいまで掘り下げていきます。
歩行者が安全に通行できています。
・乗入構台、山留支保工の設置。二次掘削を進めていきます。乗入構台を設置する事で作業を敷地内だけで行う事が出来るので、第三者との接触の危険性も低くなります。
・地下躯体の築造の為乗入構台を撤去します。ここからは路上での作業が増えてきます。
・鉄骨製品検査。工場にて
・地下躯体コンクリート打設完了。次はいよいよ鉄骨建て方です。
・4日間に及ぶ夜間鉄骨建て方作業、いろいろなリスクを伴う作業ですが、関係者の皆様に協力頂き無事に完了しました。

