2014年08月13日

livesの土地有効活用事例 事務所ビルその2

先日記載しました、土地活用の案件の続きです。

前回は計画の要点についてご紹介しましたが、
今回は実際の工事において苦労した事をご紹介します。
ズバリ、この工事で肝となるのは前面道路の環七です。
我々建築業者からすれば正直鉄骨3階建はそんなに苦労する事も無く
パッと建って、サーと仕上げて、ハイ引渡し!
という様なイメージですが。
今回は地下も有り、さらに接道が環状七号線の都道のため
身構えて、慎重に工事を進めなくてはなりません。
都道と区道との違いとしては、ザックリいうと、
ます申請手続きが1つ2つ増えるという事です。
道路使用を申請する場合でも、区道の場合は警察署長に申請をするだけですが、
都道の場合は東京都建設局の許可を受けてからでなければ警察署長に申請する事ができません。
そしてさらに申請の決済までの期間も長くなります。
・工事用切下げ・・・・4週間
・沿道掘削・・・・・・4週間
・道路占用・・・・・・2週間
となってしまいます。(区道の場合は概ねこの半分くらい...。)
この為、申請期間の読みを間違えると大きな工事の遅れや、
最悪工事ストップとなってしまいます。
そして忘れてはならないのが年末規制です。
大半の都道で、12月15日から1月3日迄の期間、路上での作業が規制されます。
つまり道路使用の許可が取れません。
これも工程の中に加味しておかなければなりません。

今回の工事も当然上記の事に注意し慎重に施工計画を検討していったのですが、
中でも一番大変だったのが鉄骨建方です。
通常ならば16tラフタークレーンでも十分なくらいの鉄骨のボリュームですが、
敷地前面道路の上空に電線が走っており、これを交わさなくては仕事ができません。
この電線を交わすには16tの能力では難しく、なんと60tのラフタークレーンで
無ければ難しいという結論に。
そこでクレーンを敷地内に入れられないか検討をしましたが、
敷地には一杯に地下躯体が建設されるので、この中にラフタークレーンを入れる事は不可能。
仮設の乗入構台を残して建て方をする事も考えましたが、それには敷地が小さすぎて
安全な作業が出来ない為断念。

そしてたどりついた施工方法は、やはり60tのラフタークレーンを使用し
環七を2車線止めて建て方を行う方法です。
当然ですが、夜間作業になってしまいます。

よし!では明日から夜間作業!という訳にはいきません。
当然道路使用許可を受けなくてはなりませんが、
今回60tという大型の特殊車両を使用するので、
この車輌を現場まで通行させても良いですよという許可を道路管理者から
受けてからでないと、警察署は許可を出してくれません。
この申請が、特殊車両通行許可といいます。
そして気になる申請期間ですが、なんと4週間から6週間かかってしまいます。
要するに工事直前での施工計画の詳細な検討ではどうにもならなくなってしまう
場合が有るという事ですね。
当然今回は特殊車両になってしまうケースも当初から検討していましたので
工程の影響無く順調に工事を進める事ができました。

皆様も土地の購入等を検討される場合には、広くて大きい道路は建物が
大きく建つから良いというだけでは無く、こういった工事の際の局面(建設コスト)
も少し考慮されるといいのではないかと思います。

長くなってしまいましたが。
ここからは工事の際の写真を添付します。
今回の工事の状況をご覧ください。
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・工事の為にはこの大きく育ったスズカケの木が邪魔になってしまうので敢え無く伐根いたしました。
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・車輌の乗入の為では無く、歩行者の安全な誘導の為に敷地の幅いっぱいに切下げを設置。
 建設局と警察署との協議のうえ特別に許可をいただきました。
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・一次掘削の状況、敷地いっぱいまで掘り下げていきます。
 歩行者が安全に通行できています。
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・乗入構台、山留支保工の設置。二次掘削を進めていきます。乗入構台を設置する事で作業を敷地内だけで行う事が出来るので、第三者との接触の危険性も低くなります。
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・地下躯体の築造の為乗入構台を撤去します。ここからは路上での作業が増えてきます。
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・鉄骨製品検査。工場にて
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・地下躯体コンクリート打設完了。次はいよいよ鉄骨建て方です。
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・4日間に及ぶ夜間鉄骨建て方作業、いろいろなリスクを伴う作業ですが、関係者の皆様に協力頂き無事に完了しました。



posted by lives at 17:48| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 土地有効活用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月31日

livesの土地有効活用事例 事務所ビルその1

先日工事が完了しました土地有効活用の案件について
ご紹介いたします。

まず依頼の内容についてですが、現状駐車場としていた土地に
今後の相続の対策もかねて、貸し事務所の建設をしたいという依頼でした。
事務所は一棟貸しで、借りる企業は概ね決まっているとの事。

土地の概要は
・敷地面積:142u
・接道:1面
・道路:環状7号線
・用途地域等:近隣商業地域 防火地域 第3種高度地区
 ※当敷地の近くに他の用途地域があり、そこからの日影規制有り
・その他:沿道地区計画
となっております。

実際に現地を見てみますと。
na00.JPG
na01.JPG
土地の第一印象は意外と狭い。
またやはり接道が環七というだけあって交通量が激しい。
隣家には低層の住宅がある。街路樹の高木が工事には邪魔。
等様々な問題点が見えてきましたが、まずは計画を考える事に...

様々なプランを作成し検討した結果、やはり隣地用途地域からの
日影規制が建物に大きく影響し、4階建とすると建物を全体的に
細く(狭く)しなくてはならない為、
日影規制のギリギリかからない3階建て最高高さ9.9mに抑え
建ぺい率いっぱいに建物を建てられる案にしました。
また容積率も有効に使う為に、地下に居室を設ける計画としたのですが、
残りの容積率では、執務室の形状が基準階の執務室形状とは違う偏平な
形状となってしまいます。
そこで一昨年度より新たに建築基準法に加わった容積率の緩和規定の対象となる、
防災用備蓄倉庫を設置する事にしました。
防災用備蓄倉庫の容積率の緩和規定とは、この用途に用する部分の面積が
全体の延床面積の1/50以内の場合は容積率の算定の基準となる床面積に
含まれ無いというものです。
この防災用備蓄倉庫を設置する事で、構造躯体の形状をそのままに活かした
矩形な地下居室とする事ができました。
na03.jpg

そして最後に建ぺい率についてですが、建物を敷地いっぱいに建てる事は
法的には可能かもしれませんが、施工的には難しいです。
そこで最低寸法を足場を建てて作業ができる様に有効で600mmと仮に設定し、
この寸法で施工可能な、山留メ工法、山留メ親杭断面寸法までも
検討し地下工事に支障の無い計画を検討しました。
na04.JPG

この過程を経て最終決定した建物は、地下1階地上3階建ての
鉄骨造一部鉄筋コンクリート造です。
少し狭く感じる敷地に可能な限り平面的にボリュームを確保し、
高さも抑える事で、近隣住居への影の影響を軽減し、
また地下工事への施工性も考慮した計画となりました。

内部の有効率としても、延床面積に対する貸室面積割合
=レンタブル比が75%と最大限に執務スペースを取る事ができております。

na02.jpg

次回より実際に工事に入った際の問題点等をご紹介いたします。



ラベル:土地有効活用
posted by lives at 15:31| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 土地有効活用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする